昨日11月1日、全日本大学駅伝が行われました。
いやぁ、すごかったですね!最後まで本当にわからなかった!
駒沢大学の田澤選手が最後に抜け出したときは、「あっ!出た!」と声が出ました。
各選手への批評も含めて、感想をお話したいと思いますので、少しお付き合いいただければと思います。
目次
全日本大学駅伝の総評
駅伝ファンにとって、待ちに待った学生駅伝でした。全体として、ここまでもつれるとは思いませんでしたね。
前半からガンガン前に出ていくガチンコの戦いで、タイムに現れない各選手の強さと弱さが見えたように思います。
各大学で今ひとつ流れに乗れない選手がいて、少しずつブレーキがかかっているうちに、終盤の7区になっても、テレビ画面に9校くらい映っていて、もうドキドキでした。
ただ、箱根駅伝予選会を走った大学は、やはり疲れがちょっと見られたのが残念でしたね。
そして、駒沢・田澤選手と東海・名取選手のデッドヒートは、本当に手に汗握りました。
各大学の批評
各大学と各選手の寸評をしていきたいと思います。
出場された全選手が凄まじい努力をされていると思いますし、尊敬しています。
しかし、評価というものは厳しくあるべきですし、それが選手の更なる向上につながると思います。
また、ここに上がってくるチームは優勝争いをするチームばかりですから、一流だからこそ評価はどうしても厳しくなります。
したがって、かなり辛辣に書いていますが、それを理解した上でご覧いただければと思います。
◎ - (区間4~6位)予想以上の活躍
〇 - (区間7~8位)期待通り。計算できる戦力
△ - (区間9~10位)イマイチ乗り切れなかった
× - (区間11位以下)戦犯級。失敗を糧に頑張れ
1位:駒澤大学
特に大きなブレーキもなく、全員がつないで勝った。
小島も神戸も残しているし、箱根もピークを合わせて良いレースを見せて欲しい。
田澤選手は文句なしの学生トップ。
1 | 加藤 淳(4) | ☆ | 三浦選手には置いていかれたが、上位でまとめ及第点といえる |
2 | 花尾恭輔(1) | ✕ | 1年生の初駅伝としてはまぁまぁだが、箱根は少し不安 |
3 | 鈴木芽吹(1) | ◎ | 1年生でエース区間だったが、存在感を示し期待以上の走り! |
4 | 伊東颯汰(4) | 〇 | 普通に走れているが、もっと輝きが欲しいし、もっとできるはず |
5 | 酒井亮太(2) | ☆ | これで箱根の距離もしっかり走れるなら、すごい戦力になる |
6 | 山野 力(2) | ◎ | 東海に置いていかれたのが玉に傷だが、初駅伝なので… |
7 | 小林 歩(4) | ◎ | 神林選手に付いていけるくらいの実力をつけて欲しい |
8 | 田澤 廉(2) | ☆ | 文句なしの大会MVP。学生長距離界を代表する大エース! |
2位:東海大学
2区でブレーキになったときはもうダメだと思ったけど、そういう悪い流れでも、後ろから追いついたのは凄かった。
箱根にピークを合わせられたら、優勝の可能性も十分にあると思う。
それだけに前半で後続を離したかったが、それができていればと思ってしまう。
1 | 佐伯陽生(1) | 〇 | 1年生の初レースとしては◎では。これから楽しみな選手 |
2 | 市村朋樹(2) | ✕ | きちんと走れていたら、優勝できていた。箱根で頑張るしかない |
3 | 塩澤稀夕(4) | ☆ | 下位で受けたため上がれなかったが、さすがは東海のエース! |
4 | 石原翔太郎(1) | ☆ | 先輩の遅れを取り戻して押し上げた。箱根は往路を任せたい! |
5 | 本間敬大(3) | ◎ | 正直もう少しいい走りが見たかった。後輩に目標にされる姿を! |
6 | 長田駿佑(3) | ☆ | ノーマークだったので活躍に驚かされた!箱根でも期待! |
7 | 西田壮志(4) | ◎ | 調子が悪そうだったが、なんとか粘った。箱根は頑張れ! |
8 | 名取燎太(4) | ☆ | 田澤選手には敗れたものの、エースとして圧巻の走り! |
3位:明治大学
誰も失速することなく、しっかり走れた理想的なレース運びだった。
箱根に向けて、もう一段あげて優勝争いにも絡んでいって欲しい。
上級生が練習から背中で見せていって欲しいですね。
1 | 児玉真輝(1) | ◎ | スピードは十分!箱根に向けてスタミナをつけて臨んで欲しい |
2 | 小袖英人(4) | ◎ | さすがエースではあったが、トップに立って欲しかった |
3 | 手嶋杏丞(3) | 〇 | 中谷選手には付かないと…。△にしたいぐらい物足りなかった |
4 | 櫛田佳希(2) | ◎ | 後ろから追い付かれた後、しっかり粘れたのは収穫 |
5 | 金橋佳佑(3) | 〇 | 正直いって、スピードもスタミナも不足していると思う |
6 | 大保海士(4) | ☆ | ノーマークだったが、立派な戦力であることを証明 |
7 | 加藤大誠(2) | 〇 | 粘るには粘ったが、エース区間だと若干しんどいか…。 |
8 | 鈴木聖人(3) | ◎ | 成績も安定しているし、エースとして安心して見ていられる |
4位:青山学院大学
あそこまで行って、勝ちきれないのは不安要素ではある。3人もブレーキしては青山学院大学でも勝てない。
しかし、もっと強い選手がいっぱい残っているので、箱根は全く問題ないと思う。
原監督は箱根に向けて、心配な選手を試しただけという感じだった。
1 | 湯原慶吾(3) | △ | 計算できる選手ではあるが、全く爆発力がなかった |
2 | 近藤幸太郎(2) | ✕ | 期待されたが裏切ってしまった。箱根の芽はなくなった |
3 | 中村唯斗(2) | ☆ | エース区間でも全く見劣りなし。チーム内競争に打ち勝て! |
4 | 岩見秀哉(4) | ◎ | しっかり成績は残せるが、やはり競り合いには弱い |
5 | 佐藤一世(1) | ☆ | 前評判通り、即戦力の1年生。箱根では4区で見たい |
6 | 山内健登(1) | △ | 1年生には酷だが、もう一度、走り込みからやり直す必要あり |
7 | 神林勇太(4) | ☆ | さすが主将!エースの走り!ここで勝負ありと思ったが… |
8 | 吉田圭太(4) | ✕ | 調子が悪かったのだろうが、あの走りでは信用を失う |
5位:早稲田大
前半にしっかり流れに乗れたことが勝因。
しかし同時に、これ以上の上を目指すのは難しいという感じもした。
箱根はさらに選手を揃えなければいけないが、序盤にいい流れに乗ることが、いかに大切かを教えられた。
1 | 辻 文哉(1) | ◎ | 1年生だが出遅れることもなく、しっかりレースを作れた |
2 | 井川龍人(2) | ◎ | ◎ではあるが、高校時代の輝きと比べると見劣りがしてしまう |
3 | 中谷雄飛(3) | ☆ | 速さ以上に、競り合いにも強いことを証明したエース |
4 | 太田直希(3) | ☆ | 単独走でも関係なく、しっかり走って離せるWエースの1人 |
5 | 菖蒲敦司(1) | △ | 1年生の初レースとしては〇。伸びていける選手だと思う |
6 | 諸冨 湧(1) | 〇 | しっかり走り込んでいけば、もっと記録を伸ばせるはず |
7 | 鈴木創士(2) | △ | △だが、エース区間でよく粘れた。もう一段の成長を! |
8 | 山口賢助(3) | ◎ | 宮下選手に追いつかれてから、逆に引き離したのは見事! |
6位:東洋大学
正直もっと苦戦すると思っていたが、しっかり走れていたところに、鉄紺のプライドを感じた。
箱根も序盤にいい流れを作れれば、そこそこ戦えるのではないか。
もっともっと選手層を厚くしていきたい。
1 | 児玉悠輔(2) | △ | スピード・スタミナの両方をもっとつけないと、箱根は厳しい |
2 | 松山和希(1) | 〇 | 初の駅伝として頑張ったが、大学のレベルの高さも感じたはず |
3 | 佐藤真優(1) | △ | △ではあるが、1年生のエース区間としてはよく粘れた |
4 | 前田義弘(2) | ◎ | しっかり粘って付いていた。体幹がしっかりしたら面白い存在 |
5 | 大澤 駿(4) | ☆ | 鉄紺になくてはならない立派な主力選手になってきた |
6 | 腰塚遥人(3) | ◎ | ノーマークだったが、こんな選手を育てられる酒井監督の手腕 |
7 | 西山和弥(4) | ✕ | 一体どうしたのかな?箱根で1区におくのは正直不安 |
8 | 宮下隼人(3) | ◎ | 礼儀正しい好青年も、いまや立派な鉄紺の大エース! |
7位:帝京大学
エース遠藤大地選手の失速により、こんな順位になってしまった。
小野寺悠、星岳、遠藤大地の3人は、絶対にミスは許されない。
箱根は心して掛かって欲しい。
1 | 小野隆一朗(1) | ✕ | 残念ながら、まだ大学レベルにはなれていないということ |
2 | 小野寺悠(4) | △ | エースの走りとしては全く物足りなかったし、歯痒かった |
3 | 鳥飼悠生(4) | ◎ | エース区間でも、しっかり競って走れることを証明 |
4 | 遠藤大地(3) | ✕ | あなたは箱根でしか結果が出せないの?戦犯級の裏切り |
5 | 橋本尚斗(3) | 〇 | 長い距離に慣れていかないといけないが、今後に期待 |
6 | 増田 空(4) | ☆ | つなぎ区間なら、しっかり上位に入れる隠れた実力者 |
7 | 星 岳(4) | ◎ | 実力者だが他校のエースとバチバチに張り合える強さを! |
8 | 細谷翔馬(3) | △ | エース区間ではまだ苦しいが、次の帝京の屋台骨となる存在 |
8位:順天堂大学
全体的に、箱根駅伝予選会の疲れが見受けられたが、それだけでなく予選会レベルとシード校のレベルの違いも見せつけられた思いがする。
そんな中でも、スーパールーキー三浦龍司選手の活躍は本当に心強い。期待されて勝ち切れるのは、真の実力があるということ。
しかし、他にはエース級と呼べる選手はいないのが悩み。
1 | 三浦龍司(1) | ☆ | 田澤選手レベルまで駆け抜けて欲しいスーパールーキー |
2 | 伊豫田達弥(2) | ✕ | ここでいい流れを断ち切って、台無しにしてしまった |
3 | 清水颯大(4) | △ | 主将ではあるが、この選手にエースは難しそうだと思う |
4 | 野村優作(2) | ☆ | 悪い流れを断ち切る走りができるスピードランナー |
5 | 石井一希(1) | ◎ | ◎だが、佐藤一世選手には死んでも付いていって欲しかった |
6 | 牧瀬圭斗(3) | 〇 | なかなか計算できる戦力が、こんなところにもいた |
7 | 吉岡智輝(3) | △ | 予選会から2週間ではキツイ距離。箱根は頑張れ! |
8 | 西澤侑真(2) | ✕ | 予選会から2週間ではキツイ距離。箱根は頑張れ! |
9位:國學院大學
やはり届かなかったかという感じ。大きな失敗がない中で、この位置というのは、今の國學院大學の実力を端的に現している。
藤木宏太、中西大翔の両エースが不発では、どうにもなるまい。
もう一度仕切り直して、箱根はきちんと仕上げてきて欲しい。
1 | 島﨑慎愛(3) | ◎ | 積極的な飛び出しで、いい位置で2区につなげたのは◎ |
2 | 臼井健太(4) | ◎ | しっかり競えるスピードがある。箱根で真価が問われる |
3 | 中西大翔(2) | 〇 | 本当は△にしたいぐらい目立たなかった。大丈夫なのか? |
4 | 河東寛大(4) | 〇 | 無難な結果にまとめたが、スピードは磨きたいところ |
5 | 木付 琳(3) | ◎ | 主将としてまずまずの走り。より上げていきたい |
6 | 伊地知賢造(1) | △ | 1年生のデビュー戦としては、まずまずではあるが… |
7 | 藤木宏太(3) | 〇 | 絶対的エースとしては、あまりに寂しい結果。巻き返しを! |
8 | 殿地琢朗(3) | △ | 初のエース区間。箱根の山登りはスイスイ行って欲しい |
10位:東京国際大学
ボチボチは走れたものの、他のシード校とのレベルの差は歴然だった。
留学生に依存していては伸びていかない。日本人エースを作っていかないといけない。
去年の4年生に憧れるのではなく、それを越えるレベルを目指して欲しい!
1 | 山谷昌也(2) | ✕ | 遅れられない1区なのに、あそこで離されるようでは… |
2 | 丹所 健(2) | 〇 | スピードはなかなかある。あとはスタミナが付けば |
3 | 内田 光(4) | ✕ | エースとしてはまだまだ力不足。箱根でリベンジを! |
4 | 宗像 聖(2) | △ | 東京国際大学を盛り上げる一ケタ順位。もう一段上を! |
5 | 加藤純平(4) | ✕ | 最終学年をいい形で終えるために、ここから猛練習を! |
6 | 堀畑佳吾(2) | ✕ | 実力を上げつつある感じはする。伊藤達彦の再来となれ! |
7 | 佐伯 涼(4) | ✕ | 甘さを排除して、他校をなぎ倒す闘志を持つべきでは |
8 | ムセンビ(2) | ☆ | ヴィンセント程ではないものの、やはり強力な戦力 |
最後に
第52回・全日本大学駅伝、本当にお疲れ様でした。
各大学ともコロナ禍の中で、並々ならぬ意気込みで大会に臨み、熱い戦いを見せていただきました。
選手の皆さんは大変だと思いますが、箱根駅伝までケガなく、また感染にきをつけて頑張っていただきたいと思います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。