12月4日(金)、ヤンマースタジアム長居にて、日本選手権・長距離種目が行われました。
大阪市民としては近いので、せっかくだから行ってみようと思い、初めて陸上の試合を見に行ってきました。
コロナ禍ですし、まぁおとなしく観戦できればいいかなと思って行ったのですが、まぁ興奮してしまいました。
今回は、日本選手権・長距離種目の観戦記をお届けさせていただきます。
目次
日本選手権とは
日本陸上競技選手権大会とは、陸上競技の日本一を決める大会です。
今回は、来年の東京五輪の選考会を兼ねているので、正式名称は、
『第104回日本陸上競技選手権大会・長距離種目
兼 東京2020オリンピック競技大会日本代表選手選考競技会』でした。
会場は一席飛ばしで、密にならないようにはしてありましたが、かなり観客も多かったですね。
ヤンマースタジアム長居への行き方
ヤンマースタジアム長居への行き方は全然難しくないと思いますけど、いちおう少しだけ。
JR大阪駅周辺を、大阪ではキタとか梅田と呼びます。
大阪市営地下鉄の御堂筋線(赤色)の梅田駅から、「なかもず」行きに乗って、長居駅(M26)で降りてください。
この駅のすぐ隣に、ヤンマースタジアム長居がありますので、迷うことはないはずです。
日本選手権・長距離種目
実際に見てきた者として、現場ではどんな感じだったのかを含めて、お話させていただきます。
女子3000m障害
レースは以下の動画をご覧ください。
このときは、まだお客さんもまだ入っている途中という感じでした。選手がバラバラッと出てきて、すぐにスタートです。
正直なところ、女子の障害レースは選手のことを全く知らなくて、誰が誰なのだかもわからなかったのですが、途中から抜け出したエディオンの石澤ゆかり選手が優勝しました。
最後に追い込んだ大東文化大学の吉村玲美選手も素晴らしかったです。
男子3000m障害
箱根駅伝で活躍された塩尻和也選手、阪口竜平選手、青木涼真選手を楽しみにしていました。
3選手とも前半はいい位置につけていたのですが、だんだん離されてしまい、少し残念でしたが、青木選手は3位に入りました。
それにしても、全国高校駅伝でも活躍し、倉敷高校を卒業したばかりの愛三工業のフィレモン・キプラガット選手が強いですね。
最後は、同じ愛三工業に所属する山口浩勢選手が優勝されました。
男子5000m決勝
中央大学のルーキー吉居大和選手を楽しみにしていました。
あと、皇學館大学の川瀬翔矢選手、日体大の藤本珠輝くんも出てましたね。
ただ、実業団選手とケニア人のペースメーカーはやはり速いですね。
それでも、一時、吉居大和選手がトップに立ったときは「うぉっ!すげえ!」って感じでした。
レースは五輪参加標準記録には及びませんでしたが、前評判どおり富士通の坂東悠汰選手の圧勝でした。
中央大学の期待の星・吉居選手も13:25.87のU20日本新記録でした。すごいスピードでした。箱根も楽しみです。
女子5000m決勝
先日行われたクィーンズ駅伝で活躍したJP日本郵政グループの廣中璃梨佳選手と、豊田自動織機の田中希実選手の一騎打ちでした。
僕は基本的に、前をグイグイ引っ張っていって、ペース配分をつぶしていくような選手が好きなので、廣中選手を応援していました。
結果は、ラスト200mでスパートをかけた田中希実選手のスピードが勝りました。
オリンピック代表も内定です!
女子10000m決勝
注目の女子10000mは、まさに「新谷劇場」でした。
スタート前に、ビジョンに映し出された新谷仁美選手の顔は今にも泣き出しそうな感じでしたが、走り出すと上下動が全くない独特のフォームで、力強かったです。
ほとんどの選手が、周回遅れになるほどで、2周遅れの選手もたくさん出ました。
ちょっと他の選手が気の毒になるくらいの強さでした。
2位は、マラソン日本代表の一山麻緒選手。このスピードでマラソンを走れるのはすごいです。来年が楽しみですね。
そして、新谷選手はまったくスピードが落ちることなく走り続け、ラスト1周で日本記録更新は間違いない状態。
新谷選手は、たまたま全国高校駅伝を見ていて、1年生のときにノーマークだったのに、ぶっちぎっていたのが印象的です。
残りが少なくなっていくにつれて、会場はみんなが手を叩いて、新谷選手の記録を固唾をのんで待っていました。
結果は、従来の記録を大幅に更新する30:20.44の日本新記録。オリンピック代表内定!
会場全体がぐわぁぁぁぁっと、熱くなるような感じになりました。
本当に圧巻のレースでした。日本新記録が出たところで、カメラを持った記者がたくさん出てきて、写真を撮りまくります。
新谷選手が泣きながら会場にむけて手を振ると、盛大な拍手が巻き起こりました。
男子10000mタイムレースB組
そして、一番楽しみにしていた男子10000m。
スタートから早稲田大学の中谷雄飛選手がグイグイ引っ張っていきます。その後ろを太田直希選手がバネを効かせたような走りで着いていきます。
途中からは、旭化成の市田孝選手が引っ張っていきますが、中谷選手はまったく離れません。
また、太田選手と旭化成の大六野秀畝選手も追いつけてきて、誰が勝つかわかりませんでした。
最後は、ラスト200mで抜け出した市田選手が1着。
中谷雄飛・太田直希の早稲田のWエースも、ともに27分50秒台!
この2人は相当強いです。箱根も早稲田が前半で主導権を握りそうですね。
男子10000mタームレースA組
いよいよメインレースです。五輪参加標準記録の27分28秒を突破することが目標です。
出場選手が本当に豪華!
大迫傑選手、田村和希選手、鎧坂哲哉選手など、社会人のバリバリ一流選手たち。
そして、昨年箱根を沸かせた相澤晃選手、伊藤達彦選手、浦野雄平選手などの社会人ルーキー。
くわえて、学生トップクラスの駒澤大学の田澤廉選手、日本体育大学の池田耀平選手、東洋大学の西山和弥選手など、錚々たるメンバーが揃いました。
レースはケニア人のペースメーカー、鎧坂選手、大迫選手が超ハイペースで引っ張っていき、5000mを13:41で通過します。速ぇぇぇ…。
6000mくらいから選手がばらけ始め、トップ集団は8人に絞られていきますが、駒澤大学の田澤選手もなんとかトップ集団についています。
7000mで伊藤達彦選手がトップに立ち、相澤晃選手と田村和希選手の3人が先頭集団となります。
8000mを過ぎると、田村選手が少し遅れ、伊藤選手も苦しくなっていきます。相澤晃選手が一番余裕があるように見えます。
フォームも崩れ、顔もグシャグシャになりながらも食らい付く伊藤選手が素晴らしかったです。
9000mを過ぎると、コエチ選手と相澤晃選手の2人が先頭になり、あとは記録だけが勝負になります。
ラスト1周はもうボルテージは最高潮でした。声が出せないのが、本当にもどかしい。
相澤晃選手が、見事に27:18.76の日本新記録!オリンピック代表も内定!
そして、2位の伊藤選手も27:25.73の参加標準を突破し、3位の田村和希選手も日本新記録でした。
それにしても、記録を出させるために、上手くペースメーカーをつとめたベナード・コエチ選手も最高ですね。
カメラを持った記者がまた大勢でてきます。フラッシュがたかれて、美しく光っていました。
全試合を観て、思ったこと
まず思ったのは、当たり前ですが、選手はすごく速い!
特に男子は「400mって、これだけ?」というくらい、あっという間です。
次に思ったのが、箱根駅伝で各校でエース級だった人が、その他大勢になってしまう競争の激しい業界だということです。
それは、中学から高校、高校から大学にあがっていく途中でも同じなのでしょうが、本当に大変な世界ですね。
これがプロ野球やサッカー選手なら、かなり大きな金額を稼ぎ出すことができますけど、僕が好きな陸上や体操はそうではないのが、少し悲しい現実だなと思います。
瀬古利彦さんが、マラソンの日本記録を出した選手に1億円を出してあげるために、奔走されていましたけど、そうした取り組みをしていかないと、ちょっと割に合わない競技になってしまうなと思いました。
現場でのこぼれ話
コロナ禍ですので、基本的にはTV観戦が良いと思いますが、今回は大阪市内で開催されたので、現地に行きました。
やはり現場にいるからこそ感じることもありましたので、少しこぼれ話をさせていただきます。
プロ並みのカメラ
以前に、体操の試合を見に行ったことがあるんですけど、そのときには写真は一切禁止でした。
ですので、僕は「陸上も写真を撮るのはダメなのかな」と思っていたので、スマホしか持っていってなかったんです。
最近は、アスリートの盗撮被害とか性的被害とか、色々なことも言われていますしね。
でも、迷惑にならないくらいには撮っても良かったみたいで、けっこう皆さん写真とかビデオカメラを持っていらっしゃいました。
「なんだ!?ミラーレス持ってくれば良かったな」と後悔しました。
僕の目の前に座っていた方が、プロが持つようなレンズだけで30cmあるような、ものすごいカメラを持っていて、望遠レンズと連射機能がすごいですね。
かっこええ!欲しいぃぃぃ!となりましたが、僕にそんな撮影技術もないので、まだいらないかな。
生・服部弾馬
試合の合間に、中学生か高校生くらいの男の子が2人、色紙とペンを持って、僕の横を登っていったんです。
「あれ?誰か有名な人でもいるのかな?」と思って、上を見上げたら、レースを終えた服部弾馬選手が観戦してました。
「うぉっ!すげえ!」って感じで、ミーハー心全開でした。
後ろにYoutuber
僕の後ろにいた方が、小型のビデオカメラで、試合の様子をずっと撮っておられました。
記録用に撮っているんだろうと思っていたら、全ての種目が済んだ後、「これアーカイプに残しておくんで!」とか「プレゼント…」が、とか何とか言ってました。
「あっ!youtuberやったんか!」と気づいて、ちょっと離れたところからガン見してました。
まさか現場で中継しているとは思いませんでした。
伊藤達彦さんが会釈
最後の男子10000mB組が終わって、相澤晃選手、伊藤達彦選手、田村和希選手という、箱根駅伝で活躍された選手たちが、日本記録を更新されて、取材記者の写真撮影がすごかったです。
ただ、時間もかかっていたので、お客さんもパラパラ帰り始めていたんですけど、僕も興奮が冷めやらなくて、ずっといました。
ようやく写真撮影も終わって、お客さんもかなり帰った後だったので、選手を近くで見ようと思って、前の方にいくと、大好きな伊藤達彦選手が真下にいました。
こちらを向いてくれたので、手を振ったところ、伊藤選手は会釈で返してくださいました。
伊藤選手は意外と小柄でした。以前から大好きな選手でしたけど、もっともっと好きになっちゃいました。
これからも頑張って欲しいです!
最後に
日本選手権・長距離種目の観戦記、いかがだったでしょうか?
陸上の試合って、そんなに盛り上がらないのかなと思ってましたけど、ナメてましたね。
現場は大盛り上がりで、帰る途中も興奮が冷めやらない感じでした。また近くでやっていたら行きたいなと思っています。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。