広域行政一元化条例案の可決における大阪維新の会の詐欺的行為
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今日、2021年(令和3年)4月1日(木)は、大阪の黒歴史として、未来に残っていくことになるでしょう。

同年3月26日に、広域行政一元化条例案が大阪市議会で可決され、4月1日に施行されることになったからです。

 

この広域一元化条例は、大阪都構想の縮小版ともいえる内容です。

今回は、2020年(令和2年)11月1日(日)、大阪市廃止・特別区設置住民投票が否決されてから、これまで何が起きていたのかを中心に、いかに大阪維新の会が醜悪であったかを、述べていきたいと思います。

 

目次

住民投票否決から、一元化条例案可決まで

住民投票によって否決されてから、一元化条例案が可決されるまでに、何が起こっていたかを、時系列で確認しておきましょう。

 

大阪で何があったのか?

維新も公明も、今回の一元化条例案については、大阪市民はもちろんのこと、支援者にも積極的に訴えかけもしませんでした。

住民投票の結果を無視したことがバレますから、「そっと可決してしまいたい。議論もしたくない。」という意図がミエミエでした。

赤字が一元化条例案について重要なもの、青字がコロナ対策について重要なもの、黒太字がその他重要なものです。

2020/11/01 大阪都構想が住民投票で否決。吉村知事は「2度と都構想にはチャレンジしない」と明言。
2020/11/05 松井市長が突如として「広域一元化」と「総合区導入」をめざし、2月議会に提案すると発表。
2020/11/06 吉村知事が、大阪都構想と同じ約430の広域事務を、市から府に委託する考えを示す。
2020/12/09 大阪市立高校の全21校を大阪府へ移管する条例案が市議会で可決。1500億円超の価値の土地建物も、府に無償譲渡。
2020/12/11 吉村知事が、大阪の医療体制が逼迫しているとして、医療支援として自衛隊へ災害派遣要請。
2021/01/14 兵庫県・京都府とともに、大阪府が緊急事態宣言(~2月28日)
2021/01/22 公明党との取引から、市から府への委託対象を「成長戦略と7分野の都市計画」に権限を縮小。
2021/02/03 松井市長が「総合区案」の提出見送りを表明。
2021/02/22 大阪・兵庫・京都の3府県が、緊急事態宣言解除を要請。
2021/02/25 大阪府議会に、条例案が提出される。
2021/02/28 大阪・兵庫・京都の3府県が、緊急事態宣言解除。
2021/03/04 大阪市議会に、条例案が提出される。
2021/03/05 大阪市の財政局長の後任に、大阪府の財務部長を、さらに大阪市の財務部長には府市が共同設置する副首都推進局の課長を充てるという産経新聞の報道が出る。
2021/03/17 吉村知事が、2月4日に大阪府で、英国型の変異株コロナウイルス感染者が死亡していた(2月25日に確認済)ことを発表。
2021/03/22 公明党の要望で、吉村知事・松井市長が条例案の修正に応じることを表明。
2021/03/24 広域一元化条例案が、大阪府議会で可決。
2021/03/26 広域一元化条例案が、大阪市議会で可決。
2021/03/29 コロナ感染者が増加したことにともない、吉村知事が国に「まん延防止等重点措置」を要請。
2021/04/01 広域一元化条例案が施行。

 

コロナ感染者が増えることは当然予想され、現実になったにも関わらず、住民投票が否決されてから、どさくさに紛れて、広域一元化条例案は可決されてしまいました。

在阪メディアも、これらの経緯について、ほとんど報道することもありませんでした。

マスコミの生命線ともいえる、きちんとした批判精神を失ってしまったと言わざるを得ません。

 

コロナ対応も失敗続き

冬になれば、コロナが再拡大することは明らかだったにも関わらず、準備は全く不十分だったと言わざるを得ません。

今回の主題ではないので、簡単に列挙だけしておきたいと思います。

・感染拡大の中で、住民投票を強行
・大阪だけが、自衛隊に災害派遣要請がいるほど医療体制が逼迫
・新大阪駅で東京方面からの旅客だけに検温という、全く意味のない施策
・飲食店への時短協力金の支給が3割止まり
・緊急事態宣言を早期に解除したことで、第4波に対応できず
・緊急事態宣言解除の責任を問われるのが嫌で、まん延防止等重点措置という、新たな名呼だけの対策を掲げる

 

広域一元化なんて、いつでも出来るはずの条例案にうつつをぬかす暇があったら、コロナ対策に全力を注ぐべきだという意見は、至極まっとうだと思います。

しかし、そうした意見を言っただけで、ネット上で叩かれてしまう現状は、非常に危険だと思います。

ネットの誹謗中傷は確かによくありませんが、だからといって、政治家にとって都合の悪い批判を封じるために、おかしな運用をされるのではないかと危惧しています。

 

住民投票で否決された「いわゆる大阪都構想」とは

最初に、大阪都構想とは何だったかを、おさらいしましょう。

大阪都構想の骨子
①大阪市を廃止(つぶす)
②大阪市を4つの「特別区」に分割
③大阪市が持っていた財源・行政権を大阪府に譲渡
④残された財源・行政権を、4つの特別区に分割

 

誤解を恐れず、本音で言わせていただきます。

要するに、大阪市を潰して大阪府に取り込み、派手で利権がある部分の権限と財源だけを大阪府が取り上げて、残りカスを4つの特別区(旧大阪市)に押しつけてしまおうという内容です。

それらがだんだんバレていって、住民投票が否決されたといってよいと思います。

 

よろしければ、大阪都構想についての過去記事もご覧ください。

 

自民党と共産党が組むのはおかしい?

維新支持者から「主義主張が全く違うのに、自民党と共産党が一緒になって、都構想や広域行政一元化条例案に反対するのはおかしい」という意見が多くあります。

しかし、様々な政策や社会的状況などの要因で、自民党と共産党が同意見になることは全く珍しいことではありません。

彼らは、それぞれが目指している理想の政治体制や思想が違うだけです。

国会においても全会一致で、法案が通ることはよくあることです。反対する理由がなければ、当然同じ意見になるわけです。

にも関わらず、こういう言いがかりをしている人は、自分が感情的に騒ぎ立てることしか出来ず、政策的見地・法的な見地から、冷静に物事を判断することが出来ないということを、自ら暴露しているということを知るべきです。

「中身の議論をしているときに、全く関係ないことで何を言い掛かりつけてるの?」

これが僕の答えです。

 

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広域行政一元化条例案とは

では、今回可決されてしまった広域行政一元化条例案とは、どのような内容なのでしょうか?

一言でいうと、大阪市が権限をもつ都市計画などの事務を、大阪府に委託することで、大阪府が大阪市の仕事を取り込んで一本化してしまう内容です。

大阪都構想は、大阪市という自治体そのものをつぶして、すべてを大阪府が奪い取るという内容でした。

広域一元化条例案は、大阪市としての外枠は残すけれども、政令指定都市としての権限と財源は、委託という形は取るものの、大阪府が奪い取る内容になります。

広域一元化条例案が、大阪都構想の簡易版または縮小版といわれる理由です。

 

 

くわしくは、下記の資料をご覧ください。

『府市一体化・広域一元化に向けた条例について』

【副首都推進局】

 

具体的には、大阪市が政令指定都市として持っている、以下の7つの権限を「大阪市→大阪府へ事務委託」という形で、移譲することになります。

これらの権限を持っていることが、政令指定都市の強みであるにも関わらず、それらを実質的に手放してしまうわけです。

常識的に考えて、正気の沙汰とは思えません。

 

 

当初は、大阪都構想と同じように、『427の事務委託と約2000億円の財源移譲』をたくらんでいましたが、公明党の協力を得るため7分野に絞られ、また「府と市は対等」との文言も盛り込まれました。

公明党は、大阪府・大阪市は「対等な立場」である旨条例に明記させたことで、大阪市民の不安感を払拭したと主張しています。

しかし、対等な立場で調整するのであれば、既存の「指定都市道府県調整会議」を用いればいいのであって、新たに条例を制定する必要は全くありません。

支援者などから批判されることは、何とかかわしたいという意図を感じますが、公明党はよほど後ろめたいのでしょう。

 

維新は、広域一元化条例を推し進めるのは、二重行政の解消が目的だと言っていますが、もともと二重行政は存在しないことは、すでにバレています。

それを指摘されると、「知事と市長がともに維新で、良好な人間関係があるから、現在は二重行政が解消されているだけだ。」という、よくわからない理屈を出してきますが、何の理由にもなっていません。

 

広域一元化条例案の内容については、下記動画でくわしく紹介されています。

 

しかも、細かい規約はまだできていないのに、急いで可決だけしてしまうという、乱暴な議会運営だといわざるを得ません。

 

広域一元化の本当のリスク

広域行政一元化というのは、自分たちの街作り(行政)を、他人(大阪府)が決めて、その責任(費用負担など)とリスクは、自分(大阪市)が負うということ。

大阪市がリスクを負うということは、当然ながら大阪市民がリスクを負うということです。自治権を失うということは、これほど恐ろしいことなのです。

わかりやすくいうと、独裁政権に近いと思いませんか?

独裁政権は「一部の国の指導者がすべてを決めて、費用負担とリスク負担は一般国民」ですよね。

地方自治、住民自治に逆行するということは、これほど恐ろしいことだということを認識しておかなければいけません。

そうでないと「一元化した方が効率がいい。」という耳障りのいい言葉に騙されることになります。

意外と、意識高い系の方が、維新に騙されていますね。

 

完全に無視された住民投票の「法的拘束力」

今回可決された広域行政一元化条例については、行政訴訟で争われることになると思っています。

なぜなら、住民投票で否決されたという民意を無視した内容の条例だと思われるからです。

言うまでもなく、今回の住民投票には法的拘束力をともないます。これは争いのないところです。

 

大都市法の規定を確認しよう

「大阪市廃止・特別区設置」住民投票は、2度にわたり100億円もかけて行われました。

その際に、根拠法となったのは『大都市地域における特別区の設置に関する法律(いわゆる大都市法)』です。

この法律は大阪都構想を実現するために、維新の肝いりで、平成24年に施行された法律です。

大都市地域における特別区の設置に関する法律
(関係市町村における選挙人の投票)
第七条 前条第三項の規定による通知を受けた関係市町村の選挙管理委員会は、基準日から六十日以内に、特別区の設置について選挙人の投票に付さなければならない。
2 関係市町村の長は、前項の規定による投票に際し、選挙人の理解を促進するよう、特別区設置協定書の内容について分かりやすい説明をしなければならない。
(特別区の設置の申請)
第八条 関係市町村及び関係道府県は、全ての関係市町村の前条第一項の規定による投票においてそれぞれその有効投票の総数の過半数の賛成があったときは、共同して、総務大臣に対し、特別区の設置を申請することができる。ただし、指定都市以外の関係市町村にあっては、当該関係市町村に隣接する指定都市が特別区の設置を申請する場合でなければ、当該申請を行うことができない。
2 前項の規定による申請は、特別区設置協定書を添えてしなければならない。

 

まず8条1項は、有効投票の過半数の賛成で大阪市を廃止して4つの特別区を設置するための申請」が総務大臣にできますよという内容です。

そして8条2項では、申請の際には必ず「特別区設置協定書」を添えてくださいねとあります。

そして、7条2項には、住民投票の際に、選挙人(大阪市民)がきちんと内容を理解できるように、特別区設置協定書」の内容について、わかりやすく説明しなければならないと規定されています。

しかし、共同通信の世論調査で、大阪市民の70%が大阪都構想について説明不足と回答していましたが、そういう声はかき消されてしまいました。

 

法的拘束力がおよぶのは「特別区設置協定書」

これらの条文を見てもわかるように、住民投票では「特別区設置協定書」に書かれている内容について賛否が問われたわけです。

この「特別区設置協定書」に、大阪都構想の制度設計が全て書かれているからです。

そして、否決されました。だから、この特別区設置協定書に書かれている内容のことをやってはいけないのです。

この特別区設置協定書は、内容が多岐にわたりますが、よりわかりやすく作成された内容の説明パンフレットを見れば、明確に記載されています。

下記のパンフレットをご確認ください。

 

「特別区設置協定書」について(説明パンフレット)
【大阪府・大阪市副首都推進局】

 

ここの8ページに「めざすもの」とあり、『大阪府に広域機能を一元化』とはっきり書かれています。

 

大阪都構想というものの一番の肝となるのは、大阪市の都市計画などの広域にわたる機能を、大阪府に渡しましょうという内容なのです。

それが否決されたのだから、大阪市の広域にわたる機能は、大阪府に渡してはいけないのです。

それにも関わらず、今回、大阪府・大阪市議会においては、内容を制限しただけで全く同じ内容の条例案が可決されてしまいました。

 

維新のお粗末なごまかし

そうした批判に対して、維新の会は見苦しい言い訳をしています。

➀投票用紙、②アンケート結果を、それぞれ根拠というか言い訳にしていますが、まったく根拠といえるものではありません。

 

投票用紙の根拠

『投票用紙には「大阪市を廃止し、特別区を設置することについて、賛成か反対か」としか書かれていない。だから、広域行政を一元化することについては、法廷拘束力は及ばない』と発言しています。

 

こんなメモ用紙くらいの大きさの投票用紙に、都構想の内容のすべてが書けるわけがありません。

投票用紙は、投票の注意事項が書かれているだけであり、問題の本質を誤魔化しているだけと言わざるを得ません。

こんなバカげた言い訳を、討論会で平気な顔をして言っていましたが、法的知識がない方だと、コロッと騙されてしまいます。

 

アンケート結果が根拠?

また、住民投票後のアンケートで、賛成意見の内訳が、二重行政が解消を望む声が多かったというだけで、『二重行政を解消してほしいという民意を尊重する必要がある。』と言い出しました。

さらに『賛成派の意向もくんであげてほしい。』などと理屈をこね始めました。

 

ですが、もし住民投票が賛成多数で可決されていたら、アンケート結果を考慮して、反対派の意見を尊重して、大阪市廃止を思いとどまったのでしょうか?

そんなことは絶対になかったはずです。

維新は、住民投票というはっきりと表された民意を完全に無視して、信憑性もよくわからないアンケート結果を取り上げ、自分たちの都合の良い理屈をこねているに過ぎないのです。

 

基準財政需要額の報道を逆恨み

住民投票の間近に、毎日新聞の報道によって、基準財政需要額によって、財政的に都構想の問題点が明るみになりました。

約218億円のコスト増が見込まれるという内容でした。

 

基準財政需要額とは、各地方団体の財政需要を合理的に測定するために、当該団体について地方交付税法第11条の規定により算定した額です(地方交付税法第2条第3号)。

この報道について、政令指定都市を4つに分割した場合の計算がなされたわけですが、維新側は「4つの特別区に分割した場合の計算ではないから、デマ報道だ」と騒ぎました。

しかしこの報道は、政令指定都市の大阪市の人口を4等分して約67万3000人ずつに分割した需要額ときちんと書かれており、行政コストが上がることは避けられないことを示した数字です。

こうした試算は、大阪都構想のような制度設計をする上で、当然に検討すべき金額であり、もっと早く出されなければいけない数字でした。

それがようやく投票日前に出てきただけのことです。

また『制度案では、消防などの事務が府に移管されるため、行政コストの差額は218億円からは縮小し、最終的には200億円程度になるとみられる。』とも明記されており、反対派が指摘してきたコスト増の試算額ともピッタリ合致します。

 

あわてた維新は、松井市長が、大阪市財政局の局長に厳重注意をします。

厳重注意を受けた後すぐに、市財政局長は試算を撤回しましたが、その憔悴しきった様子が、かえって市民の同情をかっていきます。

 

さらに翌日、市財政局長は「誤った考え方に基づき試算した数字を報道してもらったことで、報道各社や市民に誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます。ねつ造だった。」と謝罪しました。

 

しかし、財政局がねつ造した数字を出すわけもなく、一連の流れは、維新の会、特に松井市長の恫喝体質を浮かび上がらせる結果となりました。

「続けざまに、こんなことを言わせてるけど、何かおかしいな…。」という思いを、まともな人ほど持たれたはずです。

こうした経緯を逆恨みしてか、大阪市の財政部長の人事を、大阪府の財務部長に、さらに大阪市の財務部長には府市が共同設置する副首都推進局の課長を充てるという懲罰的人事を行いました。

 

ちなみに、この基準財政需要額の報道によって、住民投票の結果がねじ曲げられたと、大阪市選挙管理委員会に異議申し立てがなされましたが、棄却されています。

 

『異議申し立ての棄却決定書(写)』

 

住民投票は究極の民主主義

住民投票の世論調査で当初、賛成が圧倒的に優勢であったとき、維新は『住民投票は究極の民主主義だ!』と言っていました。

それなら、住民投票の結果を直視して、そこで示された民意にそった政治をしなければならないはずです。

でも、実際はまったく真逆のことを進めています。

彼らにとって民主主義とは、自分たちの都合よく解釈するだけのものなのでしょう。

 

これ以上、一元化させてはいけない

今後ですが、水道や消防まで、大阪府に一元化してしまおうという動きもあるようです。

これらが一元化となれば、おそらく民営化してしまうことでしょう。とんでもないことです。

欧米などにおいて水道事業が民営化したことがありますが、水道は独占事業ですから、民営化後に水質が悪くなったり水道料金がどんどん値上げされ、怒った市民の声によって、再び行政による運営に戻っているのが実情なのです。

最近の政治家は、なんでも「改革」「民営化」と言えばいいと思っているようですが、中身はタダの緊縮財政政策であることも多く、気をつけなければなりません。

 

公明党の変節

当初、都構想について反対していた公明党は、1回目の住民投票では都構想に反対していました。

ところが、2回目の住民投票で突如として変節し、維新とともに都構想に賛成に回り、大阪では大ひんしゅくを買っています。

公明党は平和と福祉の党を自認しており、その主張がブレないことが、彼らの支持を支えてきました。

しかし、国政において、自民党と連立政権を組むようになってから、明らかに変質していきました。

 

変質したのは細川連立内閣時代から

事の経緯ですが、平成3年に発覚した東京佐川急便事件などのヤミ献金疑惑により、汚職体質が指摘された自民党は、大きく支持を失います。

そして1993年(平成5年)の衆議院総選挙で非自民・非共産系の野党が勝利し、細川護熙を内閣総理大臣とする細川内閣(非自民・非共産連立政権)が成立します。

自民党は下野すると、政権奪還のため細川政権への攻勢を強めていき、連立内閣の中枢である公明党と、大きな組織票を持つ創価学会への攻撃を開始していきます。

 

四月会、憲法20条を考える会

創価学会への攻撃で、特に大きな役割を果たしたのは、「四月会(会名の由来は、死学会ともいわれる)」と「憲法20条を考える会」です。

四月会とは、1994年(平成6年)から2001年(平成13年)まで存在した創価学会と公明党、新進党に批判的な宗教団体や有識者の集まりです。

正式名称は「信教と精神性の尊厳と自由を確立する各界懇話会」といいますが、設立月から「四月会」と呼ばれるのが一般的です。

また、ほぼ同時期に、自民党議員で結成された「憲法20条を考える会」も、四月会と同じく公明党・創価学会を批判するために結成された組織です。

1993年(平成5年)から1998年(平成10年)にかけて、四月会と憲法20条を考える会は、『公明党と創価学会は政教一致である』とのネガティブキャンペーンを展開していきます。

 

裏取引があったのかも?

また、東京国税局がこの時期に、創価学会に対して大規模な税務調査を行ったとの報道もあることから、公明党・創価学会はかなり苦しい立場にあったものと思われます。

国税局のような国家権力が本気を出したら、白でも黒にされかねません。もしかしたら、東京国税局にも、自民党からの意向が働いていたのかもしれません。

くわえて国会において名誉会長の池田大作氏への証人喚問要求があったり、当時会長だった秋谷栄之助氏の参考人招致も、この時期に起こっています。

しかし平成7年に、小渕恵三氏が自民党総裁選挙に立候補し、自民党と公明党・創価学会との対立関係から関係修復に「方針転換」を表明したあたりから、潮目が変わり始めます。

そして、1999年(平成11年)10月に、「自自公連立政権(自民党・自由党・公明党)」が成立すると、四月会は平成13年に解散します。

また、憲法20条を考える会も、同時期に自然消滅していきました。

 

公明党・創価学会と、小渕氏が所属していた経世会(竹下派)は、田中角栄の時代から近い関係にあったと言われていますから、ここで裏取引があったのかもしれません。

このあたりから創価学会内で、政治家(特に、自民党の有力者)とのパイプが強い幹部の発言力が強くなっていったのではないかと思われます。

そして、2010年(平成22年)5月を最後に、池田大作氏は公の行事に姿を見せていません。

創価学会の絶対的カリスマだった池田氏が高齢となり、陣頭指揮がとれなくなったことで抑えが効かなくなり、内部では激しい権力争いが起きているとも言われています。

 

政教一致で攻撃するのは卑怯

公明党に対して突っ込みどころはたくさんありますが、だからといって『公明党は政教一致であり、憲法違反』だと攻撃するのは卑怯だと思います。

なぜなら政教一致というのは、法的にはすでに決着している問題であり、かつて敵対していた頃に、自民党や四月会、憲法20条を考える会が持ち出した難癖でしかないからです。

 

憲法20条の趣旨を確認しよう

日本国憲法・第20条には、次のように規定されています。

日本国憲法
第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

20条1項の『いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。』の部分だけを切り取ると、宗教団体が政治活動をすることは憲法違反だと、思ってしまうのかもしれません。

しかし、日本国憲法は「国民は、国家権力からいかなる圧力も受けず、自由なのですよ」という自由主義が、根本的な精神なのです。

ですから、まず『信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。』と規定されていて、「国民は何を信じようが自由ですよ」と規定されています。

その上で、国民は、国から特定の宗教や思想を強制されないし、国は特定の宗教に対して、特権を与えたり逆に制限したり、あるいは国の予算をつけたりするなどの政治上の権力を行使することを禁じているのです。

ですので、閣僚が靖国神社に参拝した際には、必ず私費で玉串料を奉納しているのです。

国や都道府県の公費で玉串料を出してしまい、違憲判決が出たことがあるからです。(例として、愛媛玉串料訴訟など)

宗教を信仰している人や宗教団体が、自由に政治活動することを制限してしまうと、信教の自由を認めていないことと同じになってしまいます。

こうした内容は、憲法を少しでも勉強したことがある人なら、司法試験の受験生レベルでも知っていることであり、もう決着がついています。

もちろん公明党が政権を取ったからといって、国民に創価学会への入会を強制したり、創価学会に1円でも予算を付けたりすれば、それは憲法違反になります。

こうした詭弁を持ち出す人は、国民が憲法や法律の内容をよく知らないことを逆手に取って、特定の人や団体を攻撃しているに過ぎないのです。

 

公明党・創価学会は衰退の道へ

公明党と創価学会の力関係は、創価学会が上で、公明党が下です。

創価学会が支援しなければ、公明党の議員は誰一人として当選することはできないからです。

2015年に行われた都構想の1回目の住民投票においても、維新の意向は無視できたはずですが、創価学会本部の意向により、住民投票に応じるように仕向けられたことが、報道で明らかになっています。

2回目の住民投票では、欠陥だらけの大阪都構想に賛成するまでになってしまいました。

 

公明党・創価学会が住民投票において、どのような経緯で変節していったかは、下記動画でくわしく紹介されています。

 

 

下記の表は、2回目の住民投票の際の、主な政党支持層の大阪都構想の賛否を表しています。

 

これまで公明党の支持者は、ほとんどの政策において8~9割ほどが、党の意向に従っていましたが、この調査では37%しかありません。

今回の住民投票における変節ぶりに、さすがの公明党支持者もソッポを向き始めていると考えられます。

宗教はもちろん教義も大切ですが、なんといっても会員同士の、お互いの人間関係・信頼関係で成り立っています。

それを大きく裏切ってしまったわけですから、今後の公明党・創価学会は大きく衰退への道をたどってしまうことになるでしょう。

コロナ禍で、彼らが日頃おこなっている対面の座談会などの、宗教活動ができないことの影響も大きいはずです。

今年の秋までには行われる衆議院選挙での比例得票は、600万票の大台を割り込むことでしょう。

 

直近の維新の不祥事

維新の会の不祥事はキリがないほどありますが、直近のものだけでも確認しておきましょう。

違法行為をすることに対して、何の躊躇もないのかと呆れてしまいます。

 

池田市長サウナ持ち込み、パワハラ問題

大阪北部の池田市。ベッドタウンとして人気ですが、冨田裕樹市長は、維新出身の市長です。

 

もう報道もたくさんされていますが、家庭用サウナやベッドを市長室に持ち込み、市役所を私物化していました。

また、それが明らかになると、職員を恫喝して、秘密保持契約書を交わさせるという、信じられない不祥事です。

下の音声は、冨田裕樹市長が恫喝する肉声です。

 

冨田氏は、すぐに維新を離党していますが、市長職は辞職せずにとどまっています。

市長選挙において公認した責任があるはずの松井市長は、どこ吹く風の対応で、市政関係者は「感覚ズレてると言うのなら、引導を渡せばいい。維新は不祥事を起こすたびに辞めさせて〝製造者責任〟をとらない」と呆れられています。

 

愛知県知事リコール不正署名問題

あいちトリエンナーレ2019において行われた企画展「表現の不自由展・その後」における展示内容や公金の支出に対して不満を持った、名古屋市長の河村たかし、大阪市長の松井一郎、大阪府知事の吉村洋文などの政治家、高須克弥、百田尚樹、竹田恒泰らが大村秀章知事を批判して、リコール活動を行っていました。

 

そのリコール署名において、佐賀県でアルバイトを雇って、不正署名をさせていたという問題です。

活動団体の代表は、日本維新の会・愛知5区支部長だった田中孝博氏。なぜ「だった」かというと、この問題が発覚してすぐの2021年2月25日に、同支部長を辞任して、維新を離党したからです。

さらに同団体幹部が、維新の会の常滑市議会議員だった山田豪氏。この人も問題発覚後すぐに、維新を離党しています。

 

ここに上がってくる人たちは、はっきりいって全員ひどいです。

インタビューを受けても、全員が「私は全く知らない。誰がこんな違法行為をやったのだろう?」と、他人事のようにしか答えていません。

維新はこの愛知でのリコール運動を通して、党勢拡大を狙ったのでしょうが、自らの遵法意識のなさが、仇となっています。

愛知県警の捜査が進んでいますので、早晩、全容が明らかになると思いますが、バレるまで本当のことを誰も言わないのは、いかにも維新が絡んだ案件だなと思います。

 

不祥事が起きると、離党させるだけの維新

上記の2件の事案を見てもわかるように、維新は不祥事を起こして発覚した場合、その人間をすぐに離党させて、維新の会には関係ないと言って逃げてしまいます。

公認または支援して、首長や議員にならせたわけですから、責任があるに決まっています。

それを「今はうちの党員じゃないから、知らんわ」では、済まされません。

 

維新に自浄作用はない

大阪維新の会は、不祥事が起きたときには、こうした首長や議員を離党させる前に、きちんと維新の会として内部調査し、党として処分を下して引導を渡すべきです。

そうした当たり前の調査・処分を行えば、自浄作用が働く政党として広く認識されて、傷は浅くて済んだかもしれません。

ところが実際には、あわてて離党させて、あとは知らん顔を決め込みます。

維新には自浄作用はまったく働いていないということを、自ら証明してしまっており、これらの不祥事の問題では、維新の会は常に戦術を失敗しています。

 

 

TVに出てアピールするだけの吉村知事

関西に住んでいる方は、実感としてわかると思いますが、吉村知事はとにかくTVによく出ています。

在阪TV局は『吉村知事が緊急生出演!』などとうたって出演させていますが、あれだけ頻繁にTVに出ているのに、どこが緊急なんだ?と思ってしまいます。

先日、立憲民主党の枝野氏に「時期尚早のタイミングで緊急事態宣言の解除を求めたことが事態の悪化を招いた」「緊急事態宣言の発出が必要な状況にある」という、当然受けるべき批判を受けました。

 

しかし、そうした批判に対し『枝野氏はコロナを政治利用している』などと、的外れの批判をしていますが、コロナ禍で有名になって一番得をしたのは吉村知事でしょう。

政治家なのに、批判に対して真摯に受け止めて改善していくことができないという幼児性を露呈しています。

 

松井市長にいたってはもっとひどくて、公用車での高級スパ通いがマスコミに報じられても、そうした疑惑に逆ギレして、誠実に答えることすらしません。

 

維新の会の本質とは?

維新の会を作ったのは、橋下徹氏です。彼の発信力は抜群だとしても、1人でやっていけるわけではありません。

維新の会を仕切っているのは、一体誰なんでしょうか?

 

維新の実質的な中心人物は橋下・松井・菅

維新の会の所属議員のほとんどが、維新の会の看板がなければ、選挙を勝ち抜くことができません。

特に、設立当初は、橋下人気にあやかって議員になりたい、または議員で居続けたい人間しかいなかったのです。

言ってみれば、維新の会とは、どこかで議員になりたいけど、その力はない『クソ人間のたまり場』になっていたのです。

だから、維新の議員はレベルが低く、不祥事が山ほど起きるのでしょう。

橋下徹氏も最初に大阪知事選挙に出るまで、選挙の戦い方も何も知りませんでした。そこで、大阪の自民党支持者の方が応援してくれて、知事になれたのです。

ところが、知事になると、そうした恩人たちが邪魔になってきます。すぐに裏切って、自民党を割ってついてきた連中とともに、維新の会を立ち上げました。

 

ここで、松井一郎という右腕を手に入れます。彼はそのガラの悪さも手伝って、ハッタリがききます。それに、父親が府議会議員をしていたことで、顔の広さもありました。

さらに松井氏は、父親の代から菅義偉首相ときわめて近いことで知られています。

そして、菅義偉氏は度重なる裏切りによって、自民党内での基盤がないため、自分を支えてくれる仲間が欲しい。

対する橋下・松井氏は、自民党をマジギレさせて、国家権力に叩き潰されるのは怖い。国政レベルで自分たちの味方になってくれる人が欲しい。

 

両者の利害はピッタリ一致してしまいます。維新の関係者は「俺らは自民党・菅派や!」とまで言っているのです。

菅義偉氏は官僚だけでなく、自民党の地方組織の人事にまで介入して、にらみをきかせてくれます。

都構想の住民投票でも、大阪の自民党をただの1度も、はっきりとは応援しませんでした。

だから、維新は「こっちには菅さんがついてるんじゃ!お前ら大阪の自民党なんか怖くないわい!」としか思っていないのです。

 

維新のブレーンたち

そして維新のバックで、政策的ブレーンとして存在しているのが、竹中平蔵氏や高橋洋一氏などの緊縮財政論者たちです。

 

竹中平蔵氏は、人材派遣会社パソナの会長です。いまや市役所の職員はどんどんパソナからの派遣職員にとって変わられています。

橋下徹は「基本的には竹中さんの価値感、哲学と僕らの価値感、哲学はまったく一緒」とまで述べています。

 

高橋洋一氏は、財務省出身のバリバリの緊縮財政論者です。都構想の試算をしたのも、彼が教授を務める嘉悦大学。その試算について間違い、問題を指摘されても、全く改善されずにそのままでした。

他にも、上山信一氏などもいますが、彼らは完全な緊縮財政論者であり、グローバリズムの提唱者ばかりです。

 

経済を活性化していくには、積極的な財政出動を行っていくのが経済学の常識です。

しかし、緊縮財政論者や財務省は「日本の財政は破綻寸前だ」などと、嘘のデータを持ち出して、真逆の経済政策を取っているのです。

本当に日本の財政が破綻寸前であったら、世界で有事が起きるたびに、円高になるわけがありません。

円高になるたびに、経済ニュースで「比較的安全性が高いといわれる日本円に買いが集まり、円高になっています」と報道されているではありませんか。

日本の財政が極めて健全であるから、日本の通貨・円が買われ、日本の資産が狙われているのです。

 

 

維新の真の支配者

さらに後ろで、竹中平蔵氏や高橋洋一氏などの緊縮財政論者たちを操り、糸を引いているのが、ユダヤ系を中心とする「国際金融資本主義者」たちです。

彼らはグローバリズムを主張して、様々な国に入り込んで、利権をむさぼっていきます。

かつて米国通商代表だったロバート・ゼーリック氏から竹中平蔵氏への、郵政民営化担当大臣に再任されたときの祝いの手紙を公表されたことがありました。

そこには郵政事業をこうしていって欲しいとの内容が具体的に書かれており、郵政会社がアメリカに買収される可能性も指摘されました。

そして、その手紙の内容通りに、郵政事業は解体・民営化されていったのです。

 

国際金融資本主義者の常套手段として、自分たちに都合よく、その国の法律を変えさせ、さらに緊縮財政を行わせて、その国の資産を民営化させていきます。

こうすれば、その国の大事なインフラ、通信、物流事業や不動産などの資産の価値(金額)を下げさせた上で、合法的に安く金で買える(支配できる)ようになるのです。

インフラ、通信事業などは必ず需要があり、長期的に安定して儲けることができる事業ですから、そこを株主として表に出ることなく支配しておけば、怒りの矛先が自分たちに向くこともありません。

植民地経営やイラク戦争後の統治などと、まったく同じ図式です。

ですから、植民地支配から脱出しようとする国の中には、社会主義(共産主義)体制となって、これらの資産を国有化して自国に取り戻そうとするのです。

国際金融資本主義者が支配するマスメディアから、それらの国のリーダーたちは独裁者だとレッテルを貼られ、批判されている一面もあるのです。

 

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主義主張にはまったく賛同するつもりはありませんが、ロシアのプーチン大統領は、ロシア国内のこうした国際金融資本主義者(主にユダヤ人)たちを、KGBの力を使ってうまく駆逐していったことから、ロシア国内での人気がきわめて高いのです。

彼は、ソビエト連邦崩壊後の混乱に乗じて、ロシア国内の資産を独占して、食いものにしていた国際金融資本主義者たちを利用して、のし上がっていきます。

そして絶対的な権力を手にしてから、逆にこれらのユダヤ人たちを弾圧して、彼らが独占していた資産をロシアに取り戻していったことを、ロシア国民は知っているのです。

ソビエト崩壊後から現在まで、ロシアで何があったのかは『プーチン最後の聖戦』にくわしく書かれています。

普段ロシアの情報はあまり入ってこないので、目からウロコでした。

 

ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは? プーチン 最後の聖戦

 

日本のエリート層の中で、欧米に留学した人間の多くは、欧米の価値観を身につけて帰ってきます。

そして日本の上流層に食い込み、これら国際金融主義者たちの尖兵のような動きをしていくことがあるのです。

維新の会の議員やそれに関わる運動員たちは、こうした国際金融資本主義者たちにとって都合よく、汚れ仕事をさせられているのです。

そのみじめな姿は、自分たちこそ改革者だと信じながら、実際はイギリスなど欧米列強にとって邪魔だった徳川幕府との内戦をさせられていた明治維新の志士たちに、そっくりではないでしょうか?

徳川幕府は、当時の日本において絶対的な権力と財力を持っていたことから、外資が入り込む隙間がなかったので、国際金融資本主義者にとって非常に邪魔な存在だったのです。

そうした本質を知れば、幕末のドラマの見方も変わってくるのではないでしょうか。

僕は愛国心なんてものは持っていませんが、だからといって日本や大阪が好き放題につぶされるのを黙って見ているだけというのも違うと思っています。

 

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最後に

この広域一元化条例が、令和3年4月1日から施行されることで、大阪は少しずつ、しかし確実に破壊されていくことでしょう。

これがエイプリルフールだったら、どれほどいいことか…。

民主主義の根幹を覆すような悪政が、目の前で行われるとは思ってもいませんでした。そういう点からも、まだまだ自分の甘さに気付かされた思いです。

世の中には、こんな汚いことを平気でやれる人間がいることを改めて思い知らされました。

これから、大阪がどのようになっていくのか、現代のナチスと同じ失敗を見ることが出来るのか、注視していきたいと思います。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

 

 

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