入国管理法(入管法)改正による移民増加vol.1

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2019年4月、改正入管法が施行され、今後ますます外国人の移民が増えていくことが予想されます。

どういう経緯で入管法が改正され、今後どうなっていくのるかを、今日明日の2日にわたって検証してみたいと思います。

 

入管法改正の経緯

まず、入国管理法とは一体どのような法律なのでしょうか?

 

入国管理法(入管法)とは?

入管法とは、正式名を『出入国管理及び難民認定法』をいいます。

外国籍の人が日本に出入国(短期の旅行を除く)するのを管理しようということですが、本音のところは、『日本にとって利益になる人と認めた在留資格33種の人たち(外交、投資経営、法律会計、医療、教育、日本人の配偶者など。詳しくは入管法・別表第一を参照)だけ、日本に来て下さいね。』ということです。

しかし、今後は『一定業種なら、単純労働者でも日本に来ていいよ。』ということです。

➀14職種の特定技能1号と、➁特定技能1号だった人が一定期間(最長5年)滞在後に技能試験に合格すれば、事実上の移民となる特定技能2号(永住可能)という、2つが追加されたということです。

政府は、今後5年間で、最大34.5万人の外国人労働者の受け入れを見込んでいます。

 

なぜ入管法を改正したのか?

特定技能1号の14職種をみると、すぐにわかります。

・介護
・ビルクリーニング
・素形材産業(金属部品などの鋳物製造、鍛造、金属プレス工など)
・産業機械製造
・電気・電子機器関連産業
・建設
・造船・船用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造
・外食

いずれも『労働人材不足が深刻』な職種です。

しかし、はっきり本音をいえば、ごく一部を除いて、どいつもこいつもブラックな職種です。

めちゃくちゃ給料少ないのに、人権無視で働かせるイメージが強い職種といってもいいでしょう。

こんなこと今の若い人はみんなわかっています。

だから、この14職種では働きたくないんです。そりゃそうでしょ?僕らオッサンだって働きたくないですもん。

『労働人材不足が深刻』→『外国人で穴埋めしよう!』

これが入管法改正に至った要因です。

 

結局は、経営者の都合のみ

要は、サラリーマン経営者たちが『人が集まらないなら、給料を上げてあげよう』とか、『自分たちの仕事に使命や魅力を感じてもらえるように、真剣に考えていこう』という前向きな努力を何もせずに安易な発想で、政府に圧力をかけたということです。

偉そうにふんぞり返っている、いい大人がこんなことしかしないから、若い人はすぐ無気力、あきらめの境地に達してるんですよ。

脂ぎった顔で『俺たちの若い頃はなぁ!』とか、挙げ句の果てには『バブルの頃はなぁ!』なんて、鼻息荒く、臭い口して、アホなこと言ってる場合じゃないですよ。

僕もオッサンですけど、僕ら世代はバブルは知らないので、50歳以上のオッサンらに言いたい!

バブルなんて30年前のこと、いつまで言うとんねん!

 

入管法改正の何が問題なの?

入管法は、大きな問題を残したまま、経営者の都合によって導入されました。

でも、何が批判されているのか、よくわからないですよね。まとめてみました。

 

入管法改正の問題点

➀ブローカー規制が弱すぎる
➁特定技能1号の労働者の地位が低すぎる
➂技能実習制度を、今のまま残した

 

➀ブローカー規制が弱すぎる

外国人労働者は来日するとき、母国のブローカーに渡航前費用を支払いますが、ここに対する規制が全くありません。

技能実習生や留学生のケースでは、不当に高額な費用を取られる事例が多発しており、人権侵害の温床となっています。

改正された入管法に基づく省政令では、保証金徴収や違約金契約は禁止されましたが、実効性があるのか、はなはだ疑問です。

外国人労働者が日本に来た後は、受け入れ企業か登録支援機関が、彼らの生活を支援することになります。

登録支援機関は受け入れ企業からの委託料で運営されますが、委託料に関する制限がありません。登録支援機関への委託料が高額であれば、外国人労働者の賃金に転嫁されるため、実質的なピンハネとなります。

母国と日本の両方で、ブローカー規制を強めないといけないのに、放ったらかしです。

 

➁特定技能1号の労働者の地位が低すぎる

特定技能1号の外国人労働者は、通算5年以上の滞在が許されないという使い捨て状態で、家族帯同も認められていません

特に、技能実習生から特定技能1号となった場合、最大で通算10年間、家族と離れて暮らさなければならないケースもあり、非人道的ですよね。

特定技能1号で認められた14業種のうち、特定技能2号で認められた業種は、たった2業種だけです。その他の12業種については、外国人労働者は使い捨て状態なので、「2号」の業種も「1号」に合わせるべきです。

政府は、この入管法改正を「移民政策ではない」と強調していますが、国際的には1年以上、同一国に滞在していれば、『移民』と定義されます。

日本政府としては、移民受け入れを認めたくないのでしょうが、日本だけ勝手なことは認められません。

 

➂技能実習制度を今のまま残した

特定技能への人材の供給源として、技能実習制度を今のまま残したのは、今回の法改正の最大の欠陥といえます。

技能実習制度の問題点は、3つあります。

➀制度趣旨がねじ曲げられている
➁転職の自由がない
➂ブローカーがひどすぎる

弊害の多い技能実習制度に関しては、批判の声がずっと以前より強まっています。

しかし、この本丸を全くそのままにしたということは、外国人労働者はひどい目にあっても知らないよと言っているのと同じです。

 

ひどすぎる技能実習制度

先ほど、技術実習制度の問題点を3点あげましたが、本当にひどいので、もう少しご説明いたします。

 

制度の建前なんかフル無視

技能実習の建前は『国際貢献のため、途上国の外国人を日本で最長5年間受け入れ、技能を移転する』ということで、2018年6月末現在で、約28万人が在留しています。

しかし、この建前は真っ赤なウソで、低廉な労働力確保の手段として使われているのです。

 

もし自分が技能実習生だったら…

➁転職の自由がないことともリンクするのですが、自分が外国人労働者だとして、何とかして日本で働き続けて、お金儲けしたいとなったときに、理不尽でも耐えるしかないですよね。

転職の自由がないんですから、絶対に逆らえません。となると、パワハラ、セクハラやり放題になってしまうんです。

断れりきれずに、口の臭い汚いオッサンに食い物にされる若い女性も大勢いるそうです。最低でしょ?

それでも言うこと聞かなかったら、パスポート取り上げられて、強制帰国させられちゃうんです。

 

そりゃ失踪しますよ…

理不尽ことがあっても、耐えるしかない技能実習生。その結果、劣悪な労働環境、生活環境がたびたび問題になっています。

残業代も支払われない、最低賃金も無視。時給500円という岐阜県のアパレル会社もあったそうです。

また、岩手県内の建設会社で、鉄筋・型枠施工の技術を学ぶはずだったベトナム人実習生が、放射線の除染作業に従事させられ、経営者に報酬の一部をピンハネされていたということもありました。

なんと、受け入れ企業の7割が労働基準法違反していたんです。『みんなやってるやん!』ってなもんです。人間の皮をかぶった悪魔です。

そして、技能実習生の失踪事件が頻発してしまうわけです。だから、この制度だけは絶対に変えないといけなかったのに、放ったらかしです。

もう悪意があるとしか思えません。

 

悪質な日本語学校が蔓延

また、留学生や日本語教師を食い物にしている日本語学校が問題になっています。

日本語学校の学費は、大手の大学進学予備校とほぼ同額で、1年間で70~80万円というのが相場です。

留学生はその学費と、渡航費用、ブローカーへの報酬など100万円~150万円を前借りして、日本に来た時点で、すでに大きな借金を背負ってやってきているんです。

ブローカーに紹介された先が、悪質な日本語学校だった場合、法外な寮費を請求されたり、紹介されたアルバイト先での給料をピンハネされたりという問題が頻発しています。

こうした事情は、最近、特に日本に来ている方が多いベトナム、ネパールではすでに伝わっているそうですが、その中でも、情報に疎い地方出身の若者が食い物にされているようです。

母国も日本も、ブローカーはみんな金の亡者。みんながグルになって、国際貧困ビジネスしているわけです。

 

日本人だって搾取される

日本語教師も、搾取される側のかわいそうな人達です。

残業代もつかず、働かされまくって、手取りの給料は20万円ほどだそうです。非常勤だと、さらにひどくて年収150万円だとか。

行政が立ち入らなかったら、経営者って好き放題するわけです。

これらの問題があることをわかっていながら、政府は強行採決したのです。

今回の改正で、1つだけ良い面

今回、創設された特定技能制度の良い面は、同一の業務区分であれば、転職の自由が認められていることです。

技能実習生は転職の自由が認められておらず、転職によって労働環境を改善する権利がありません。そのため、過酷な労働環境の中に閉じ込められて、ひどい目にあう事案が出まくっています。

特定技能制度なら、転職という改善方法が本当にきちんと機能すれば、技能実習生よりは労働環境は良くなるでしょう。

 

変えよう!技能実習制度

特定技能の在留資格ができたことで、技能実習制度は今後どうなるでしょうか。

特定技能制度がきちんと機能すれば、技能実習制度から特定技能へ移り変わるかもしれません。外国人労働者も、特定技能制度で日本に来たいと思うはずです。

また、技能実習生への人権侵害が発覚すれば、日本の受け入れ企業だけではなく、その企業への発注側企業の責任も厳しく問われます。

はっきりいって技能実習制度はきちんと運用すれば、企業のメリットは少ないです。特定技能が運用しやすければ、受け入れ側が特定技能に移るようになるかもしれません。

しかし、たびたび人権侵害が指摘されている縫製業は、特定技能の14業種に含まれていません。ひき続き改正されないままの技能実習制度が利用されるので、大きな問題です。

 

まとめ

以上ですが、今回の入管法改正がひどい実態であることは、おわかりいただけたかと思います。

明日は、入管法改正により、日本がどう変わっていくのかを考えていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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